特殊詐欺の電話を切ったあとにすること 麻生区は7月末で76件

麻生警察署の建物。茶色いタイル張りの4階建てで、正面に入口と、パトカーなどの車が見える
写真:Waka77/CC0(自由に使える写真です・出典(別のウィンドウで開きます))。サイズを調整しています。

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知らない番号から電話が鳴る。出ると、警察官を名乗る人が「あなたに逮捕状が出ている」と言う。県警が注意を呼びかけている、実際の手口の一つです。

神奈川県警の表(令和8年7月末の暫定値)では、麻生区の特殊詐欺は76件、被害額は約4億9,600万円。川崎市全体の338件のうち、約2割にあたります。

この記事では、数字と手口を確かめたうえで、電話を切ったあとにすることを、県警・警察庁・川崎市の公式の案内から順に並べます。

ポン君特殊詐欺って、麻生区でもあるの?

リンちゃん県警の表だと、令和8年7月末までに76件よ。数字は暫定値で、あとから変わることもあるの。まず、その中身から見ていきましょう。

麻生区の特殊詐欺は、何件?

神奈川県警察が公表している「市町村別特殊詐欺認知状況(令和8年7月末:暫定値)」で、麻生区の欄を見ると、件数は76件、被害額は約4億9,600万円です。川崎市全体は338件、約24億2,300万円でした。麻生区は、件数で市の約22%、被害額で約20%にあたります(どちらも私たちの計算)。

76件麻生区の特殊詐欺の件数。令和8年7月末までの暫定値で、SNS型投資・ロマンス詐欺を含みます(神奈川県警の表)

川崎市の7区を並べると、こうなります。

川崎市の7区の特殊詐欺の件数の棒グラフ(令和8年7月末の暫定値)。川崎区30件、幸区23件、中原区38件、高津区75件、多摩区30件、宮前区66件、麻生区76件。被害額は、麻生区が約4.96億円、高津区が約5.12億円、宮前区が約4.12億円
川崎市の7区の特殊詐欺の件数。棒の上の数字は被害額。神奈川県警察「市町村別特殊詐欺認知状況(令和8年7月末:暫定値)」をもとに、私たちで作成。被害額は10万円単位で四捨五入されています

件数は、麻生区が76件、高津区が75件、宮前区が66件でした。区ごとに住んでいる人の数がちがうため、この表の件数だけで「多い・少ない」は決められません。

県警の表の注では、件数は「被害発生場所(最初に電話を受けた場所)を基準」にしているとされています。

ほかの数字と、見くらべるときの注意
  • 麻生警察署のページ(2026年8月24日更新)は、同じ7月末で77件、被害額は約4億9,800万円です。前の年の同じ時期は44件、約3億2,600万円と書かれています。県警の表とは1件ちがいます。理由は、どちらのページにも書かれていません。
  • 川崎市のページ(2026年7月31日更新)には、令和7年の1年間(確定値)の麻生区は66件、約2億6,000万円とあります。こちらは「SNS型投資・ロマンス詐欺」を除いた数字です。県警の表の76件から、SNS型投資16件とSNS型ロマンス11件を引くと49件になります(私たちの計算)。
  • 県警の表には、「7月末」がいつからの数かは書かれていません(私たちは、1月からの累計とは確認できていません)。
  • 暫定値は、あとから変わることがあります。

どんな手口が多い?

県警の表には、手口別の件数も載っています。麻生区の内訳は、次のとおりです。

麻生区の特殊詐欺の手口別の件数の棒グラフ(令和8年7月末の暫定値)。SNS型投資16件、ニセ警察13件、SNS型ロマンス11件、架空料金請求10件、オレオレ9件、還付金6件、預貯金5件、金融商品2件、交際あっせん2件、その他2件
麻生区の特殊詐欺の手口別の件数(合計76件)。融資保証金・ギャンブル・キャッシュカード詐欺盗は0件。件数の多い順に並べたのは私たちで、数字は神奈川県警察の表のとおり。私たちで作成

いちばん多いのはSNS型投資の16件で、ニセ警察の13件、SNS型ロマンスの11件が続きます。この3つで40件です。

被害額は、麻生警察署のページに手口別の数字があります。ニセ警察詐欺は11件で約1億3,200万円、SNS型投資詐欺は16件で約1億7,600万円、SNS型ロマンス詐欺は11件で約9,700万円です。この3つを合わせると約4億円で、署のページの合計(約4億9,800万円)の約8割になります(私たちの計算)。

手口別の件数は、署のページの数字とは少しちがいます(署のページはニセ警察11件、オレオレ11件、その他3件)。ここでは、76件の合計と合う県警の表を使っています。

県警と警察庁が、手口をどう説明しているかを、短くまとめます。

  • ニセ警察詐欺警察官を名乗り、「共犯だと言っている」「逮捕状が出ている」などと不安をあおる。捜査のためと言って、口座へ送金させる流れです。SNSのビデオ通話に誘い、警察手帳や逮捕状の画像を見せるケースもある。
    実在する警察署の電話番号を偽装して表示する手口も、県警と警察庁が挙げています。
  • SNS型投資・ロマンス詐欺始まりは電話ではなく、SNSの広告やマッチングアプリなど。投資型は、有名な投資家の名前をかたった広告からグループチャットに誘う。偽の投資アプリで「利益が出ている」ように見せ、出金の手数料などと言ってお金を求めます。ロマンス型は、やり取りを重ねて恋愛感情や親近感を持たせてから、お金の話に入る。
    1件あたりの被害額が高額になりやすい、と県警は書いています。
  • 架空料金請求詐欺パソコンに突然、ウイルス感染の警告画面が出る。表示された連絡先に電話すると、お金を求められます。身に覚えのない利用料の請求や、差し押さえの通知が届く形もあります。
  • オレオレ詐欺息子や孫など親族を名乗り、「会社のお金を使い込んだ」といった話でお金を求める。事前に「電話番号が変わった」「喉を痛めて声が出ない」と電話があったら要注意、と県警は呼びかけています。
  • 還付金詐欺役所や税務署の職員を名乗り、「還付金がある」とATMへ向かわせます。ATMで還付金を受け取れることはありません(警察庁)。
  • 預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗警察や銀行協会などを名乗り、「口座が悪用されている」と言ってカードを預かろうとする。警察や銀行協会、金融機関が、自宅までキャッシュカードを預かりに来ることはありません(県警)。

電話を切ったあと、まず何をする?

ここからは、お金やカードの話が出る電話があったときの動き方です。県警は、犯人と話をしてしまうと誰でもだまされる可能性があるので、犯人からの電話に出ない対策が大切だと書いています。

電話を切ったあとの動き方の流れ図。お金やカードの話が出る電話があったら、1 電話を切る(相手が教えた番号には折り返さない)、2 家族に話す、最寄りの警察署か警察相談専用電話 #9110 に相談する、3 お金とカードを動かさない。もう送った・渡したときは、警察と金融機関に連絡する
電話を切ったあとの動き方。警察庁・神奈川県警・金融庁の案内をもとに、私たちで作成
  1. 電話を切る。相手が教えた番号には、折り返さない。
    警察庁は、本物の警察官は、電話で「捜査対象になっている」と伝えないこと、メッセージアプリで連絡しないこと、警察手帳や逮捕状の画像を送らないこと、個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をかけないこと、を挙げています。ひとつでも当てはまれば詐欺で、電話やビデオ通話を切るよう案内しています。
  2. 家族に話す。警察に相談する。
    警察庁は、対面で最寄りの警察署に相談するか、警察相談専用電話(#9110)に相談するよう案内しています。電話の相手が家族を名乗っていたなら、家族にかけ直して、本物かを確かめます。画面に出た番号が実在の警察署の番号でも、本物と信じず、警察署か#9110に相談するよう、警察庁は書いています。
  3. お金とカードを動かさない。
    暗証番号は、人に教えません。キャッシュカードや通帳は、他人に渡しません(警察庁)。ATMの利用限度額を低く設定しておくことも、警察庁は還付金詐欺の対策に挙げています。
もう送ってしまった、渡してしまったとき

警察と、振込先の金融機関に、すぐ連絡してください(金融庁)。犯人が口座からお金を引き出す前なら、振込先の口座に残っているお金から支払いを受けられる可能性があります(金融庁。支払いまでには、少なくとも半年以上かかるのが一般的とされています)。緊急のときは110番です(神奈川県警)。

交差点を走る、白と黒のパトカー。ドアに「神奈川県警察」と書かれ、後ろのドアには、オレオレ詐欺への注意を呼びかけるステッカーが貼られている
神奈川県警察麻生署のパトカー(コモンズの説明による。撮影:根川孝太郎/CC BY-SA 4.0。ウィキメディア・コモンズ)。撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません

家族で、先に決めておくことは?

電話が鳴ってから考えるのは、むずかしいものです。県警や警察庁の案内から、前もってできることを並べました。

  • 家にいるときも、留守番電話にしておく県警は、自宅にいる間も常に留守番電話にして、録音を確かめてから対応するよう勧めています。
  • 迷惑電話防止機器をつける着信音が鳴る前に警告のメッセージが流れ、通話を録音する機器です。川崎市は、市内に住む65歳以上の人に、無料で6年間貸す事業の追加募集をしています(2026年7月28日更新のページ。先着順で、定数になると締め切り)。家族が代わりに申し込むこともできます。受付が続いているかは、市のページで確かめてください。
  • 固定電話の「国際電話」を止める県警は、特殊詐欺の犯人からの電話の多くが、「+1」「+44」などで始まる国際電話番号からだと書いています。外国と固定電話で話さないなら、国際電話の利用休止を申し込めます(国際電話不取扱受付センター、0120-210-364。オペレーターは平日の午前9時から午後5時、自動音声は24時間)。手続きが難しいときは、警察署が申し込みを手伝います。
  • 携帯電話の着信を見直す番号非通知や、電話帳にない番号、「+」から始まる国際電話番号からの着信を拒否する。留守番電話で相手を確かめてからかけ直す。県警は、そうした設定と、警察庁が勧めるアプリを紹介しています。家族の番号を電話帳に入れておけば、登録外の着信を拒否する設定にしても、家族からの電話は受けられます。
  • 必要以上の現金を、家に置かない電話で、自宅に現金があることを他人に教えないことも、県警は求めています。
  • 「お金の話が出たら、いったん切って、家族に相談する」を、みんなで共有する警察庁は、電話でお金の話が出たら、一度切ってすぐ家族などに相談するよう案内しています。

困ったときの相談先は?

電話番号は、公式のページで確かめたものです。

  • 麻生警察署044-951-0110
    川崎市麻生区古沢86番地の1。小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩7分(署のページ)。
  • 警察相談専用電話#9110
    警察庁の案内にある窓口です。神奈川県警のページでは、総合相談室の番号として、045-664-9110と並べて載っています。携帯電話からは、他の県の警察にかかる場合があります。
  • 消費者ホットライン188
    警察庁の特殊詐欺対策のページにある相談窓口です。
  • 緊急のとき110番

麻生警察署は、9月4日に、地元の和菓子店「大平屋野村商店」と特殊詐欺の防犯キャンペーンを行い、署オリジナルのステッカーを同店で配っています(署のページ、2026年9月16日更新)。いまも配っているかは、確認できていません。

ポン君切って、相談、だね。メモしとこう。

リンちゃんええ。ひとりで決めなくていいの。

出典

令和8年の数字は暫定値で、変わることがあります。電話番号や制度の内容も変わることがあります。最新は、公式の案内で確認してください。

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