「備えなきゃ」を、月に一度の「おうちキャンプ」に 麻生区役所のハンドブックから
最終確認日
防災グッズを買ってみたものの、押し入れに入れたまま。気づいたら、食べ物の期限が切れていた——。そんな人は、少なくないかもしれません。
麻生区役所が出している「わが家の防災ハンドブック 麻生区版」には、ちょっと意外な提案があります。それが、**月に一度の「おうちキャンプ」**です。「備えなきゃ」と身がまえるより、ためしながら備える。その考え方を、公式の資料をもとに紹介します。
麻生区の人は、どこまで備えている?
麻生区が2024年に行った区民アンケートで、家庭での備蓄を聞いています。(18歳以上の区民2,000人に配って、1,138人が回答。複数回答)
- 3日分以上の飲料水51.8%
- 3日分以上の食料43.7%
- 3日分以上の携帯トイレ26.5%
- 特に何もしていない15.3%
川崎市は、備蓄は最低3日分、できれば7日分、水は1人1日3リットルを目安にしています。水は半分ほどの家庭で3日分以上ありますが、携帯トイレは4分の1ほどです。
「避難所へ行けばいい」とは限らない
ハンドブックには、避難所についての数字がのっています(2020年10月発行の資料による想定です)。
- 麻生区の人口は約18万人。大きな地震のとき、避難所を使う人は約3万人と想定されています。
- 避難所1か所あたりにすると、約1,200人です。
- 一方、避難所の備蓄倉庫にある物資は、1か所あたり約300人分です。
- 支援の物資が避難所に届くまでには、約3日かかるとされています。
家が無事で、危険がなければ、自宅で過ごせるように備えておく。ハンドブックは、それが、本当に困っている人に物資がまわることにつながる、と説明しています。
「そろえる」から「ためす」へ
そこで勧められているのが、ローリングストックとおうちキャンプです。
- ローリングストック:食べ物を少し多めに買い、ふだんの食事で使って、使った分を買い足していく方法。
- おうちキャンプ:月に一度、電気やガスにあまり頼らずに過ごしてみる日をつくる方法。
そろえるだけだと、期限切れや「使い方が分からない」「足りなかった」に気づくのは、いざというとき。先に一度ためしておくと、足りないものが、平和なうちに見つかります。
おうちキャンプのやり方
ハンドブックの流れを、4つにまとめました。
- 備蓄品を出して、確かめる
しまってある備蓄品を取り出して、数と使えるかを見ます。電気やガスに頼らない暮らしを、できるだけ日常に近づけて試します。 - 備蓄の食材で食事をつくる
ふだん食べるものを多めに買っておき、食事で使ってみます。これがそのままローリングストックになり、期限切れも防げます。カセットコンロやランタンも、ここで試します。 - トイレとお風呂を考える
停電や断水で使えないことを想像して、簡易トイレの数と使い方、体をふくペーパーやタオルの使用期限を確かめます。 - 家族で話す
テレビを見ず、スマホを使わない時間をつくって、日ごろの備えを家族で話し合います。
換気に気をつけます。ハンドブックにも、そう書かれています。
「まず、やってみる」
ハンドブックには、川崎市の黒川青少年野外活動センターのひと言がのっています。まず、やってみること。 100円ショップにもキャンプ用品のコーナーがあるので、安いものから試すのでよい、とのことです。炭や火の扱いは、アウトドアで身につけておくと、いざというときに役立つそうです。
遠くのキャンプ場に行けないときは、黒川青少年野外活動センターに来てほしい、とも書かれています。
一時避難場所も、家族で確認を
ハンドブックには、避難のポイントも出ています。まず、近くの公園などの一時避難場所に向かい、危険がなくなったら自宅の安全を確かめます。自宅で生活できないときは、指定避難所へ向かいます。家族で、一時避難場所と指定避難所の場所を確かめておくことが勧められています。アンケートでも、避難所や避難経路の確認は40.2%の人がしています。
出典
- 麻生区役所「わが家の防災ハンドブック 麻生区版」(2020年10月発行。編集:新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアム)
- 川崎市麻生区「麻生区区民アンケート 概要版」(2025年1月)
- 川崎市「家庭で備える物(在宅避難に必要な備蓄、非常持ち出し品など)」(ページ更新 2026年6月2日)
ハンドブックの数字は、発行時点(2020年)の想定です。最新の情報は、川崎市と麻生区役所の案内で確認してください。
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