住んで10年未満が多い町は? 麻生区28地区、1位は王禅寺

芝生の小山と遊具のある公園。まわりに2階建ての家と集合住宅が並んでいる
写真:Hahifuheho/CC0(出典(別のウィンドウで開きます)・縮小)

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近所で、引っ越しのトラックをよく見かける気がする。それは気のせいでしょうか。

麻生区の28地区で、住んで10年未満の人の割合がいちばん高いのは「王禅寺」の51.6%。 次が黒川の44.6%、南黒川の44.0%。いちばん低いのは白山の19.5%で、1位とは2.6倍の差があります(2020年の国勢調査)。

この記事では、麻生区の「地区カルテ」28枚を全部開いて、その数字を高い順に並べました。一戸建ての割合、1人世帯の割合とも並べています。後半は、越してくるとき・出ていくときの、電気・ガス・水道と掃除の段取りです。

数字はすべて公開資料から。現地には行っていません。

28地区で、住んで10年未満がいちばん多いのは?

1位は王禅寺です。順に並べると、こうなります。

麻生区28地区の、住んで10年未満の人の割合(2020年)の横棒グラフ。王禅寺51.6%、黒川44.6%、南黒川44.0%、古沢43.6%、はるひ野43.2%、百合丘43.0%、栗木41.4%、上麻生38.3%、栗平37.8%、片平37.6%、万福寺35.3%、千代ケ丘34.6%、王禅寺西33.5%、五力田33.0%、金程32.3%、白鳥31.7%、高石30.7%、栗木台30.1%、岡上29.4%、細山29.3%、虹ケ丘28.8%、下麻生27.5%、東百合丘26.9%、王禅寺東26.8%、早野26.6%、向原25.7%、多摩美24.8%、白山19.5%
住んで10年未満の人の割合。麻生区地区カルテ(令和2年国勢調査の小地域集計)の28地区の数字をもとに、私たちで作成

ざっくり3つに分けると、40%以上が7地区、30%台が11地区、30%未満が10地区でした(こちらで数えました)。

  • 40%以上(7地区)王禅寺 51.6%/黒川 44.6%/南黒川 44.0%/古沢 43.6%/はるひ野 43.2%/百合丘 43.0%/栗木 41.4%
  • 30%台(11地区)上麻生 38.3%/栗平 37.8%/片平 37.6%/万福寺 35.3%/千代ケ丘 34.6%/王禅寺西 33.5%/五力田 33.0%/金程 32.3%/白鳥 31.7%/高石 30.7%/栗木台 30.1%
  • 30%未満(10地区)岡上 29.4%/細山 29.3%/虹ケ丘 28.8%/下麻生 27.5%/東百合丘 26.9%/王禅寺東 26.8%/早野 26.6%/向原 25.7%/多摩美 24.8%/白山 19.5%

「王禅寺」は、王禅寺東・王禅寺西とは別の地区です。町名が「王禅寺」だけのところで、2025年9月末の人口は784人。王禅寺東(26.8%)、王禅寺西(33.5%)とは、数字がかなりちがいます。町の成り立ちは王禅寺の町を掘り下げた記事に書きました。

王禅寺の本堂。手前に石畳の道があり、右に実をつけた柿の木が見える
町名の「王禅寺」は、このお寺の名前から(撮影:Monado/CC BY-SA 3.0。ウィキメディア・コモンズ)。撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません

「住んで10年未満」は、何を数えた数字?

ここ、読みちがえやすいところです。

地区カルテの「居住期間別人口割合」は、2020年の国勢調査の、町ごとの集計から作られています。国勢調査の用語では、居住期間はいまの場所に住んでいる期間のこと。区の中で引っ越した人は、そこから数え直しになるので、麻生区に来てからの年数とは限りません。カルテの分け方は7つです。

  • 出生時から生まれたときから、ずっと同じ場所
  • 1年未満/1〜5年未満/5〜10年未満この3つを足したのが、この記事の「10年未満」
  • 10〜20年未満/20年以上足すと「10年以上」
  • 不詳答えがなく、分からない人

気をつけたいのは、2つです。

ひとつは**「不詳」の多さ**。28地区で9.3%(王禅寺)から21.3%(岡上)まであります。「10年未満」と「10年以上」を足しても100%になりません。たとえば黒川は、10年未満44.6%、10年以上25.9%、出生時から9.0%、不詳20.4%です。

もうひとつは人数です。カルテの人口(2025年9月末)で見ると、南黒川は293人、早野は624人、古沢は644人、王禅寺は784人。人が少ない地区では、何世帯かの出入りでも割合が大きく動きます。上麻生(20,166人)の38.3%と、南黒川の44.0%を、同じ重さで比べないほうが安全です。

そして、この数字は2020年の時点です。いまはもう少しちがっているかもしれません。

1年未満の人が多い町、20年以上の人が多い町は?

「10年未満」の中身を分けると、町ごとの顔がもう少し見えます。

  • 1年未満がいちばん多いのは、王禅寺の16.6%。2番目の古沢(9.9%)を大きく上回ります。白山は1.9%でした。
  • 20年以上がいちばん多いのは、白山の50.6%。2人に1人が、いまの家に20年以上です。王禅寺東36.2%、多摩美35.5%、虹ケ丘35.4%が続きます。
  • はるひ野は、20年以上が0.3%。28地区でいちばん少なく、そのかわり10〜20年未満が35.1%、5〜10年未満が23.9%でした。
  • 万福寺も、20年以上が4.2%と少なめ。10〜20年未満が37.6%で、28地区でいちばん多い数字です。

なぜこうなっているのかは、カルテには書かれていません。ここでは、並べて見えることだけにとどめます。

日本映画大学の白山校舎の外観。赤い壁に大学名が掲げられている
白山にある日本映画大学の白山校舎(撮影者:Yagi kouhou/CC BY-SA 4.0。ウィキメディア・コモンズ)。白山は、住んで20年以上の人が50.6%。撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません

一戸建ての多い町は、10年未満の人が少ない?

「集合住宅が多い町ほど、住んで10年未満の人が多い」。そう思いがちですが、28地区を並べると、そう単純ではありませんでした。

横軸に住んで10年未満の割合、縦軸に一戸建ての世帯の割合をとった、28地区の散布図。左上に早野(26.6%、83.4%)、王禅寺東(26.8%、72.6%)。右下に黒川(44.6%、24.2%)、百合丘(43.0%、16.3%)、南黒川(44.0%、3.7%)。右上に王禅寺(51.6%、82.8%)がひとつだけ離れている。左下に白山(19.5%、0.1%)
住んで10年未満の割合(横)と、一戸建ての世帯の割合(縦)。どちらも令和2年国勢調査、麻生区地区カルテより私たちで作成

図から言えることを、数えて書きます(こちらで整理)。

  • 10年未満が40%以上の7地区のうち、一戸建てが半分に届かないのは5地区(黒川24.2%、南黒川3.7%、古沢41.1%、はるひ野39.5%、百合丘16.3%)。
  • ただし**王禅寺は一戸建てが82.8%**で、28地区の中でも早野(83.4%)に次ぐ高さ。それでも10年未満は1位です。栗木も一戸建て51.5%で、10年未満41.4%でした。
  • 10年未満が30%未満の10地区のうち、一戸建てが半分以上なのは6地区(細山・東百合丘・王禅寺東・早野・向原・多摩美)。
  • 逆に白山は、一戸建てが0.1%なのに、10年未満はいちばん少ない19.5%。共同住宅が多くても、長く住む人が多い町があります。

つまり、10年未満が多い7地区の5つは一戸建てが半分未満、少ない10地区の6つは一戸建てが半分以上でした。ただ、王禅寺・栗木・白山のように、そうなっていない地区もはっきりあります。

黒川駅の北口。階段とエレベーターの案内、駅名の看板、植え込みのある広場
黒川駅の北口(撮影:Hahifuheho/CC0。撮影年は不明。ウィキメディア・コモンズ)。駅の名前は黒川でも、駅があるのは南黒川。そのわけは[黒川駅の記事](/shiru/kurokawa-eki-hori-sagashi/)に

1人世帯の多い町と、重なる?

もうひとつ、1人世帯の割合(2020年)と並べます。麻生区全体では35.6%です。

横軸に住んで10年未満の割合、縦軸に1人世帯の割合をとった、28地区の散布図。麻生区全体の1人世帯35.6%に点線。右上に百合丘(43.0%、50.0%)、古沢(43.6%、46.1%)、南黒川(44.0%、40.6%)、黒川(44.6%、39.9%)。右下に王禅寺(51.6%、16.8%)、はるひ野(43.2%、18.3%)、栗木(41.4%、12.1%)
住んで10年未満の割合(横)と、1人世帯の割合(縦)。点線は麻生区全体の1人世帯の割合。令和2年国勢調査、麻生区地区カルテより私たちで作成

10年未満が40%以上の7地区は、ここで2つに分かれます(こちらで整理)。

1人世帯が区より多い4地区百合丘 50.0%/古沢 46.1%/南黒川 40.6%/黒川 39.9%
1人世帯が区より少ない3地区はるひ野 18.3%/王禅寺 16.8%/栗木 12.1%

同じ「住んで10年未満の人が多い町」でも、1人で暮らす人が多い町と、そうでない町がある、ということです。1人世帯が区より少ないことから、家族の世帯が多い、とまでは、この数字だけでは言えません。

1人世帯がいちばん多いのは百合丘の50.0%。2世帯に1世帯です。駅と町のことは百合ヶ丘駅の記事にあります。

百合ヶ丘駅の南口。青い駅名の看板の下に改札へ続く通路がある
百合ヶ丘駅の南口(撮影者:Kounoichi/CC BY-SA 3.0。ウィキメディア・コモンズ)。撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません

ポン君うちの町は10年未満が少ないほうだったよ。じゃあ、引っ越しの話は関係ないね。

リンちゃんちょっと待って。白山でも、住んで5年未満の人が1割くらいいるの。町の割合と、自分の家の予定は別よ。

白山の1年未満1.9%と1〜5年未満9.1%を足すと11.0%(こちらで計算)。

越してくる・出ていくとき、電気・ガス・水道はどの順で?

ここからは、どの町の人にも関係する話です。川崎市のよくある質問と、市の案内ページにあることだけを書きます。

決め手は、どれも「引っ越しが決まったら、前もって」連絡すること。そのうえで、日にちの目安があるものを、早い順に並べました。

  1. 引っ越しが決まったら:電話・電気
    電話の移転は、工事が予約制なので早めに。電気は、契約している会社へ前もって連絡します(東京電力の契約なら、移転先では備え付けの「電気使用申込書」を出す、と市の質問の答えにあります)。
  2. 休止日の4〜5日前まで:いまの家の水道を止める
    電話かインターネットで、上下水道お客さまセンターへ。伝えるのは、水道番号・氏名・休止日・清算方法・引っ越し先の住所と連絡先です(市のよくある質問。更新は2022年10月)。
  3. 移転の2〜3日前まで:都市ガス(東京ガスの場合)
    検針票や領収書にあるお客様番号を、電話で伝えます。インターネットでも申し込めます。東京ガス以外の会社、プロパンガスの人は、契約している会社に聞きます。
  4. 新しい家の水道:使い始めの届出
    これも前もって、インターネットで届け出られます(オンライン手続かわさき、または引越れんらく帳)。市の答えでは、立ち会いは要りません。届出のあと、内容を確かめるために、検針員が声をかけたり電話で尋ねたりすることがある、とも書かれています。

電気・ガス・水道をまとめて出したい人には、川崎市が紹介している「引越れんらく帳」があります。2025年3月3日から、川崎市で使う電気・ガス・水道などの手続きを、スマートフォンから一括で申し込めるようになりました。どの会社が対象かは、そのサイトで確かめます。

ただし、転入届は区役所の窓口で出します(市の案内)。役所の手続きの順番は、麻生区に引っ越して最初の2週間にまとめています。

問い合わせ先(水道)

川崎市上下水道お客さまセンター:044-200-3548(年中無休、8:30〜20:00)

掃除は、入る前と出る前の、どこまで?

借りている家に入るとき・出るときの掃除は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2011年8月の再改訂版)が、考え方の土台になっています。

入る前:まず「いまの状態」を残す

ガイドラインは、トラブルの大きな原因に、入居時と退去時の確認が足りないことを挙げています。そのため、入居のときに、貸す側・借りる側の両方で部屋ごとの傷や汚れを確かめ、確認リストに書いておく方法を示しています。平面図に書きこむ、写真を撮る、といったやり方も勧めています。

掃除を始める前、荷物を入れる前に、部屋の写真を撮っておく。ガイドラインも、こうした記録は、あとで話がこじれたときの証拠になりうる、としています。

出る前:どこまでが自分の掃除?

ガイドラインの例では、ふだんの掃除をしていた場合、専門の業者による部屋全体のハウスクリーニングは、貸す側の負担の例に入っています。エアコンの内部の洗浄も、たばこなどのにおいが付いていなければ、同じく貸す側の例です。

一方で、借りる側の負担の例として挙がっているのは、次のようなものです。

  • 掃除や手入れをしなかったために付いた、ガスコンロのまわりや換気扇の油汚れ・すす
  • 同じく、お風呂・トイレ・洗面台の水あかやカビ
  • 結露を放っておいて広がったカビやシミ

つまり、出る前にやっておきたいのは、油汚れと水回り。ここはガイドラインの例とも重なります。

契約書の「特約」も見る

ガイドラインは一般的な考え方です。契約で、退去時のクリーニング代などを借りる側の負担とする「特約」が決められていることもあります。ガイドラインは、こうした特約が認められるための条件(必要性と合理的な理由がある、借りる側がその負担を認識して合意している、など)も示しています。まず自分の契約書を開いて確かめます。

話がこじれたときは、川崎市消費者行政センター(044-200-3030。市内に住む・通勤・通学する人が対象)に相談できます。平日は9時〜16時(金曜の電話は19時まで)、土曜は10時〜16時(電話のみ)。市外の人は、消費者ホットライン「188」です。

出ていくときの、たくさんのごみは?

引っ越しで一度にたくさん出るごみは、川崎市では「一時多量ごみ」として、市が許可した業者が有料で集めます。業者を選んで、生活環境事業所に申込書を出し、分けたごみを業者に渡す流れです。費用は業者ごとにちがうので、見積もりを取ります。市は、許可のない業者を使わないよう呼びかけています。

麻生区での申し込み先や、粗大ごみとの使い分けは、親の町と実家の片付けの記事にくわしく書きました。ふだんの収集日はごみ収集日の調べ方へ。

業者やサービスを選ぶ前に、何を確かめる?

住んで10年未満の人が多い町でも少ない町でも、引っ越しの段取りは同じです。電気・ガス・水道は「決まったら前もって」、掃除は「入る前に写真、出る前に油汚れと水回り」。

ハウスクリーニングや電気の会社を選ぶときは、先に契約書の特約と、いまの契約の解約の条件を確かめておくと、比べやすくなります。

出典

内容は変わることがあります。最新は、川崎市・国土交通省の案内で確認してください。

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