台風が来る3日前に、何をする? 川崎市のマイタイムラインを、4つの手順で作る
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台風が近づいているとニュースで知った夜。「避難所に行くのか、家にいていいのか」を、そのときに決めるのは、思っているより大変です。
川崎市は、その迷いを減らすために、マイタイムラインをつくるよう呼びかけています。この記事では、マイタイムラインとは何か、いつ、どうやって作るのかを、市の公式ページと資料で確かめた範囲でまとめます。
麻生区の人で、つくっている人はどれくらい?
麻生区が2024年に行った区民アンケートです。(18歳以上の区民2,000人に配って、1,138人が回答。複数回答)
同じアンケートで、「家庭内で取り組んでいること」を聞いた結果は次のとおりです。
- 指定避難所や指定緊急避難場所の場所や経路の確認40.2%
- ハザードマップや防災マップの確認25.9%
- 複数の避難先(分散避難)の検討と確認4.4%
- 避難行動計画(マイタイムライン)の作成0.5%
場所を調べるところまでは、答えた人の4割が進んでいます。その先の「いつ、どう動くか」を決めている人は、ごくわずかです。つまり、答えた人のほとんどが、まだ白紙です。迷うのは、あなたが特別に備えていないからではありません。
マイタイムラインって、なに?
川崎市の説明では、大雨や台風などの風水害にそなえて、家族や暮らしの状況に合わせた避難行動、つまり**「自分の逃げ方」**を、前もって考えておくものです。「いつ」「だれが」「何をするのか」を、スケジュールにしておきます。
対象は、地震ではなく、風水害です。市の資料には、風水害は天気予報などで前もって予測しやすいので、その特徴を生かして命を守る行動につなげられる、と書かれています。(ゲリラ豪雨のように、準備の時間がとれない場合もある、とも書かれています。)
なぜ、避難所に行くだけでは足りないの?
市の資料に、2019年10月の令和元年東日本台風のことが出ています。このとき、川崎市では約33,150人が避難所に避難しました。市の資料は、必要なときは迷わず避難所に避難してください、とも書いています。そのなかには、自宅でも身の安全を守れた人がいた一方で、ためらって逃げ遅れる危険があった人もいたのではないか、と書かれています。
市のページには、「避難」とは「難」を「避」けること、とあります。避難所へ行くだけが避難ではありません。 家や家族の状況に合わせて、行き先やタイミングを決めておくのが、マイタイムラインです。
つくるのは、いつ? 4つの手順
市のページでは、手順は4つです。(かっこは、市が示している目安のタイミング)
- 避難が必要か、調べる(日頃から)
ハザードマップで、住んでいる場所に、洪水や土砂災害の危険があるかを見ます。市は「かわさき防災アプリ」で、ハザードマップも、川の水位や避難所が開いているかも見られると案内しています。見方はハザードマップの記事にまとめました。 - 避難情報や気象情報の意味を知る(日頃から)
市の冊子「備える。かわさき」や、気象庁のページで、情報の意味を確かめておきます。 - 避難先と経路を考える(数日前)
台風は、上陸の数日前には進路がわかります。テレビやラジオで情報を見ながら、避難のタイミング、場所、行き方を考えます。足りないものがあれば、買い足します。 - チェックシートを書く
家庭の情報を、市のチェックシートにまとめて、マイタイムラインを仕上げます。家族みんなで話しながら書くと、役割分担ができ、共通の意識も持てる、と市は書いています。
つくる時期は、災害のないうちに、が市の呼びかけです。
避難先は、3つから考える
市のページでは、避難のしかたを、次の3つに分けています。
- 立ち退き避難危険が迫る前に、浸水想定区域や土砂災害警戒区域の外へ移ること。市は、最も確実な方法と説明しています。避難先の例は、実家や親戚の家、ホテルや旅館です。
- 避難所への避難開く避難所と場所を、ハザードマップで調べておきます。行くときは、かわさき防災アプリで、開いているかを確かめます。
- 在宅避難浸水想定区域のなかでも、部屋が浸水の深さより高く、そこでの暮らしに備えがあり、家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない場合は、家にとどまれることがあります。備蓄は最低3日分、できれば7日分です。
市の資料によると、台風や大雨で一時的に避難するために指定緊急避難場所を開くときは、原則として、食料や水の配布はありません。必要なものは、持っていきます。避難所の種類のちがいは、避難所と避難場所のクイズで確かめられます。
台風の例では、数日前から数時間前まで何をする?
市の資料「マイタイムライン作成のポイント」には、台風の場合の行動例がのっています。あくまで基本の例で、実際には家族の状況に合わせて書くものです。
- 2〜3日前ごろ台風の進路を調べ始める。足りないものを買い足す。避難のときに持っていくものを用意する。家の周りの、飛ばされそうなものを確かめる。避難しやすい服に着替える。携帯電話を充電する。
- 半日前住んでいる場所と、川の上流の雨の量を見る。川の水位を調べ始める。ブレーカーを落とす。ガスの元栓をしめる。
- 数時間前川の水位を、定期的に確かめる。緊急速報メールやメールニュースかわさきで、避難情報を見る。近所に声をかけて、いっしょに避難することも書き込めます。
資料には、上流の水位が大切な理由も書かれています。上流にたくさん雨が降ると、増えた水が数時間後に下流へ流れてきて、水位をさらに上げるからです。
持ち物は、風水害のときは、一晩、台風が過ぎるのをしのぐつもりで用意する、と市は示しています。水、食べやすい食料、常備薬、携帯トイレ、モバイルバッテリー、懐中電灯などが、チェックリストにのっています。
土砂災害の多い麻生区で、とくに気をつけたいこと
市の資料には、川崎市は、北部を中心に750か所以上の土砂災害警戒区域があり、がけ崩れの危険がある、と書かれています。麻生区での行動は土砂災害の記事に書きました。
また、がけ崩れは大雨のときだけに起きるとは限らず、小雨でも何日も降り続けば、危険が高まるそうです。マイタイムラインには、「雨がどれくらい続いているか」も、判断の材料に加えておくとよさそうです。
チェックシートは、どこで手に入る?
川崎市のページ「マイタイムラインをつくろう」に、次の資料が出ています。
- チェックシートPDFとWord形式。家庭の情報をまとめる最初の1枚です。
- 作成シート(本番の1枚)「いつ・だれが・何を」を書き込みます。記入例もあります。
- 作成のポイントこの記事の元にした、解説資料(PDF)です。
- 動画市の動画のほか、京浜河川事務所の動画も紹介されています。
紙の資料は、区役所の危機管理担当窓口で配っている、という記述が、市の資料にはあります。(ハザードマップなどの配布場所として。マイタイムラインの用紙を置いているかは、確認できませんでした。)
最後に、ひとつだけ
マイタイムラインは、目安の行動です。実際の災害のときは、避難情報や気象情報を、こまめに確かめて、状況に合わせて動くように、と市は書いています。完璧な1枚を目指すより、まず、チェックシートの1行目を書くところから。
備蓄の考え方はおうちキャンプの記事も、のぞいてみてください。
出典
- 川崎市「マイタイムラインをつくろう」(更新日 2026年5月28日) https://www.city.kawasaki.jp/601/page/0000117993.html
- 川崎市総務企画危機管理室「マイタイムライン作成のポイント」(PDF) https://www.city.kawasaki.jp/601/cmsfiles/contents/0000117/117993/point.pdf
- 川崎市防災ポータルサイト「風水害編:08 マイタイムラインをつくろう」(備える。かわさき) https://portal.kikikanri.city.kawasaki.jp/static/sonaeru/husuigai/08.html
- 川崎市麻生区「麻生区区民アンケート 概要版」(2025年1月) https://www.city.kawasaki.jp/asao/cmsfiles/contents/0000172/172925/gaiyou.pdf
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