五月台の南は塀より生垣 外壁のついでの塀は30日前までに届出

最終確認日

先に答え

  • 五月台駅の南の地区計画には色の決まりが無く、外壁の塗り替えだけなら届出の対象外と読めます。念のため市に一度確かめます
  • 道路側の垣・さくは「生垣など」と決まっていて、塀やカーポートの工事は着手の30日前までに市へ届出
  • だから見積書は、「塗り替え」と「外まわり」の行を分けて並べます
五月台駅のホーム。屋根の下に階段とホームが続き、柱に「さつきだい」の駅名の表示がある
写真:LERK/CC BY-SA 4.0(出典(別のウィンドウで開きます)・縮小)
この記事でわかること7つの章
  1. 五月台駅の南は、どんな決まりの町?
  2. うちは、地区計画の区域の中?
  3. 外壁を塗り替えるだけなら、届出は要る?
  4. 「ついでに塀も」と言われたら?
  5. カーポートや物置を足すなら?
  6. 見積書は、どこで行を分ける?
  7. 今週末、まず何をする?

土曜の午後、片平1丁目の家の前。外壁の塗り替えの見積もりに来た業者さんが、帰りぎわに言います。「足場を組むなら、ついでに塀もカーポートもどうですか」。見積書には「ブロック塀」「カーポート」の行が増えていきます。

まとめて頼めば、職人さんが来る日も1回で済む。そう考えるのは、もっともです。

ところが、五月台駅の南には、住む人たちの検討から決まった「五月台地区地区計画」があります。道路に面した垣・さくは「生垣など」。そして、塀やカーポートの工事は、着手の30日前までに市への届出が要ります。

この記事でわかるのは4つです。家が区域に入るか。塗り替えだけなら届出は要るか。塀とカーポートの決まり。そして、見積書の行の分け方です。川崎市の計画書・計画図・届出の案内と、法令の条文を読んでまとめた記事で、現地には行っていません。

片平1丁目の土曜日

ポン君

塗り替えのついでに、塀もカーポートも頼んじゃおう

ポン君

えっ

リンちゃん

ちょっと待って。この町には、塀の決まりがあるの

ポン君リンちゃん

塀に決まり……?

道路側は生垣など。工事に手をつける30日前までに、市へ届け出るのよ

五月台駅の南は、どんな決まりの町?

住む人たちの検討から決まった「地区計画」のある町です。川崎市が2007年12月27日に決めた「五月台地区地区計画」で、いまの区域は約24.6haあります。

地区計画は、地区ごとに建て方の決まりを足す、市の都市計画です。市の理由書には、地域の住民が検討を続け、合意ができた区域で決めた、と書かれています。そのあと、となりの中層の住宅などの区域でも合意ができました。そこで2014年12月3日に変更の告示があり、五力田3丁目などが加わっています。

その土台には、町の成り立ちがあります。市の委託でまとめた町名の報告書によると、駅のまわりは「池ノ谷」と呼ばれた田んぼでした。1977年(昭和52年)から、宅地の造成が始まります。そして1982年(昭和57年)の住居表示で、五力田1〜3丁目ができました。市の区画整理の一覧では、この「柿生第一」地区の換地処分の公告は1982年8月10日です。つまり、町の形が決まって25年後に、住む人たちが決まりを足したことになります(年の差はこちらで計算)。

決まりの中身は、おもに4つです。建ててよい物の種類、敷地の広さ、建物の高さ、そして道路側の垣・さくです。たとえば低層の地区では、敷地の最低は150㎡で、高さは10m以下です。区域は6つの地区に分かれ、面積は次のとおりです。

五月台地区地区計画の6つの地区の面積(ha・2014年12月の変更後)

低層住宅地区A
17.5約17.5
低層住宅地区B
5.2約5.2
低層住宅地区C
0.3約0.3
中層住宅地区A
0.4約0.4
中層住宅地区B
0.5約0.5
住宅地区
0.7約0.7

川崎市「五月台地区地区計画」の計画書(2014年12月の変更後)の面積から作成。合計は約24.6ha。

いちばん広いのは、戸建てを中心にする「低層住宅地区A」です。区域のおよそ7割にあたります(17.5÷24.6、こちらで計算)。

くわしく:2007年と2014年で、区域はどう変わった?

2007年の決定のときは約20.7haで、地区は低層住宅地区A(約17.1ha)とB(約3.6ha)の2つでした。位置は五力田1・2丁目と、片平1・2・5丁目です。2014年の変更で、低層住宅地区C・中層住宅地区A・B・住宅地区が加わり、6つの地区になりました。このうち低層住宅地区Cは、計画図の「市道五力田71号線」に面した敷地だけ、住まいを兼ねた小さな店も建てられます。店の部分は50㎡までです。

うちは、地区計画の区域の中?

五力田1〜3丁目か、片平1・2・5丁目なら、入っているかもしれません。ただし、どの丁目も全部が入るわけではありません。

計画書の「位置」は、この6つの丁目です。一方で、計画書には「区域は計画図のとおり」とあります。そこで、市の計画図を開いて、目じるしで読みました。

目じるし 計画図では
片平公園 区域の中
五力田調整池 区域の中
五力田大台公園 区域の中(駅の西)
五力田高尾根公園 公園は外、すぐ南の家並みは中(線路の北)
片平小学校 区域の外
北部地域療育センター 区域の外
駅前の大きな店の建物 区域の外

この表から分かるのは、丁目の名前だけでは決まらないことです。たとえば片平公園は中に入り、となりの片平小学校は外にあります。ただし、計画図は縮尺の地図で、番地までは読み取れません。だから、自分の家が入るかは、計画図で道と敷地を見比べるか、市の担当に聞いて確かめてください。

逆に、白鳥と、片平3・4・6〜8丁目は、計画書の「位置」に入っていません。また、白鳥4丁目と片平4丁目のあたりには、それぞれ別の地区計画(白鳥4丁目地区・片平地区)があります。中身は別の決まりなので、この記事の決まりを当てはめないでください。

五月台駅の改札。右側にICカードの読み取り部のある改札機が並び、奥の窓に、北口の方向を示す案内が見える
五月台駅の改札。地区計画の区域は、駅の南側を中心に広がっています(計画図による)。(撮影:MaedaAkihiko/CC0/ウィキメディア・コモンズ)撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません。

外壁を塗り替えるだけなら、届出は要る?

五月台地区では、地区計画の届出の対象には入らないと読めます。ただし言い切れないので、市に一度確かめてください。

理由は、法令の条文にあります。都市計画法施行令の第38条の4は、色を変える工事の届出を、一部の区域だけに求めています。地区計画で「形態又は色彩その他の意匠の制限」が決まっている区域です。ところが、五月台地区の計画書には、色や形の決まりがありません。決まっているのは、建てる物の種類・容積率・敷地・高さ・垣とさくです。だから、外壁の色を変えても、地区計画の届出の対象にはならない、と読めます。

一方で、市の届出のページには、「外壁の塗替え」でも届出が「必要な場合があります」と書かれています。これは、色の決まりがある地区も含めた、市全体の案内です。五月台地区での答えを市が書いたページは、見つけられませんでした。そこで、着手の30日前より前に、市の担当に聞いておくと確かです。景観・地区まちづくり支援担当で、電話は044-200-3022です。

つまり、色の基準がある万福寺の景観の地区とは逆です。五月台の南の決まりは、色ではなく、道路側の垣・さくにあります。

「ついでに塀も」と言われたら?

道路に面した塀やさくには、町の決まりがあります。計画書では、6つの地区すべてに同じ決まりがあります。道路側の垣・さくは「生垣など、良好な住宅地に相応しい圧迫感の少ないもの」とする、という決まりです。

ただし、「ブロック塀はだめ」とは書かれていません。書かれているのは、「生垣など」と「圧迫感の少ない」という方向です。どんな塀なら計画に合うかは、届出を受けた市が確かめます。

次に、届出です。塀をつくる・つくり直す工事は、届出が要ると読めます。市の届出のページは、届出が要る行為に「工作物の建設」を挙げ、「届出が必要な場合があります」と書いています。塀は、土地に据える工作物です。

くわしく:塀は「工作物」?「建築物」?

建築基準法では、家に付いた門や塀は「建築物」に含まれます(第2条第1号)。つまり、工作物と数えても建築物と数えても、届出が要る行為に入ります。そのうえ、政令が届出の外とする物に、塀はありません。届出の外とされるのは、仮設の物や、家に付いた物干場・アンテナ・旗ざおなどです(都市計画法施行令第38条の5)。

届出は、工事に手をつける日の30日前までです。計画に合わない届出には、市が直すよう勧告できます(都市計画法第58条の2)。とはいえ、古い塀の補修か、フェンスの取り替えかで、どこからが届出になるかは、市のページだけでは分かりません。業者の提案に塀が入ったら、その時点で市に聞いてください。

道路に面したコンクリートブロックの塀。上の段に飾りの穴あきブロックがあり、塀には飛び出し注意の看板が付いている(麻生区で撮った写真ではありません)
コンクリートブロックの塀の一例(神奈川県鎌倉市。麻生区で撮った写真ではありません)。(撮影:Ishikawa Ken from Kamakura, Japan/CC BY-SA 2.0/ウィキメディア・コモンズ)撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません。

カーポートや物置を足すなら?

屋根と柱のあるカーポートや物置は、建築物に当たりえます。その場合は、10㎡より小さくても届出が要ります。

というのも、建築基準法は、土地に定着し、屋根と柱か壁がある物を「建築物」と呼ぶからです。そして市の届出のページは、建築物の建築について「10平方メートル未満の場合も含まれます」と書いています。つまり、車1台分の小さなカーポートでも、届出の外とは言えません。

ポン君庭の小さな物置でも? メモしとこう

リンちゃん屋根と柱があれば、建築物になりうるの。当てはまるかは、着手の30日前より前に市に聞いてね。

ほかに、敷地の決まりも見ておきます。低層の地区では、敷地は150㎡が最低です。150㎡より狭い土地でも、決定の日に宅地だったなら家は建てられます。ただし、それ以上細かく分けることはできません。家の建て替えや、土地を分ける話が出たときに当たる決まりです。

見積書は、どこで行を分ける?

「塗り替え」と「外まわり」の2つに分けて並べます。

見積もりを1枚にまとめると、足場や職人さんの日程はそろいます。ところが、塀やカーポートの行には、届出の30日が付いてきます。塗り替えと同じ日に着手する予定のまま届出が遅れると、外まわりの工事を待つことになりかねません。

そこで、こう考えてみませんか。塗り替えのついでに外まわりを頼むのは、同じでいい。ただ、見積書の上で、届出の要る工事と要らない工事を分けておく。次の表は、この記事で読んだことを、見積書の行に当てはめた早見です。

工事 地区計画の届出 見積書の行
外壁の塗り替え 対象外と読める(市に確かめる) 塗り替え
道路側の塀・さく 対象と読める。着手の30日前まで 外まわり
カーポート・物置 屋根と柱があれば10㎡未満も対象と読める 外まわり
足場 仮設の物は、政令で届出の外 塗り替え

この早見をもとに、外まわりの行には、次のことを書いてもらうと比べやすくなります。

  • 届出を、家の側で出すか、業者が書類を手伝うか
  • 届出を出す日と、着手の日(30日あいているか)
  • 道路側の塀を「生垣など」に合わせる案があるか
  • カーポート・物置の広さと、屋根・柱のつくり

同じことを2〜3社に聞けば、答え方のちがいが比べられます。見積書そのものの読み方は、千代ケ丘の見積もりの比べ方にまとめました。

今週末、まず何をする?

計画図で区域かを見て、塀・カーポートの着手の日から30日をさかのぼって、カレンダーに書きます。順番は、次の4つです。

  1. 区域かを見る市の「地区計画制度」のページから五月台地区の計画書を開き、最後の計画図で家の場所を探す
  2. 外まわりを決める塀・さく・カーポート・物置のうち、頼むものと、着手したい日を決める
  3. 30日前までに届出市の入力フォームで出す。届出書の様式もある。内容を変えるときも、30日前まで
  4. 塗り替えも一言色を変えるなら、塗り替えが届出の外でよいかも、同じ電話で確かめる

窓口は、まちづくり局の景観・地区まちづくり支援担当です。届出のページの番号は044-200-3022で、地区計画制度のページには同じ担当の044-200-3025が載っています。

五月台駅のホームに入ってくる電車。ホームの上に、駅の建物の丸い屋根が見える
五月台駅に入る電車。(撮影:Hahifuheho/CC0/ウィキメディア・コモンズ)撮影の時期は、いまの様子とはちがうかもしれません。
ポン君リンちゃん

塗り替えと外まわり、行を分けて頼む!

外まわりの日から、30日さかのぼってね

まずは今週末、計画図を開いて、家が区域に入るかを見てください。入っていたら、塀とカーポートの着手の日を決め、その30日前の日に印を付ける。業者に見積もりの行を分けてもらうのは、そのあとです。

出典

内容は変わることがあります。届出が要るかどうかと最新の決まりは、川崎市の景観・地区まちづくり支援担当の案内で確認してください。

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